メイン

No3#
シックスアパート株式会社 アーカイブ

2006年09月14日

シックスアパートとは

シックス・アパート株式会社は、米シックス・アパート(Six Apart, Ltd.)の日本法人。
米シックス・アパート社は米カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置き、ブログ・ツール「Movable Type」と統合ブログ・サービス「TypePad」を提供するブログ技術のリーディング・カンパニー。

関 信浩氏
1994年東京大学工学部卒業。その後カーネギーメロン大学経営大学院卒(MBA)。
大手出版社で記者、事業開発担当などを経て、2003年12月にシックス・アパート(株)を設立、代表取締役に就任。


─Movable Typeについて教えてください。

Movable Typeとはブログ用のソフトウェアです。 ブログのソフトウェアとしてダウンロード、または、パッケージとしても購入できる製品です。Movable Typeは、2001年10月に創業者であるベン・トロット、ミナ・トロットの夫妻がネット上で公開したのが始まりでした。 初期のころは個人のパワーユーザに使っていただいておりましたが、現在では多くの企業様にも使っていただいております。

日本法人は、2003年12月にスタートしました。2004年7月にMovable Type日本語版3.0をリリースしました。 2006年3月には企業用イントラネットに特化した形でMovable Type Enterpriseという製品も出しています。


─TypePadについて教えてください。

TypePadはインターネット上のサービスです。TypePadのページにきてログインしていただければブログをそのまま使えるというサービスです。ですので、Movable Typeはソフトウェアとして、ダウンロード(又は、パッケージとして購入)していただいた後に、自身でサーバー環境にインストールをして初めてブログとして利用できるのですが、Type Padはそういった手間はなくブログを使いたい方がサインアップをすれば使えるというサービスです。


─シックス・アパートとはどういう意味なのでしょうか?

シックス・アパートの創業者はベン・トロットとミナ・トロットという夫妻なのですが、2人は1977年9月16日と、9月22日に生まれたため誕生日が6日違いなのです。誕生日が、6days apart( apart=離れているという意味)から、Six Apartになっています。


─御社のロゴも6日離れているという意味から作られたと聞いたことがありますが・・・

そうですね。実際にはカレンダーの向きが逆なのですが、6日離れているというのをデザイン化したものとなっています。 


─御社の企業理念などが、あれば教えてください。

企業理念ではありませんが、カンパニーミッションというものがあります。

Six Apart gives people the power to store their experiences and thoughts on the web in a private space that they can personalize, control access to, and take pride in.

これは、英語なので簡単に日本語に訳しますと「一般の人達が、自分達のプライベートスペースを使いながら、何かしらの想いを持ってweb上で何かを実現していけるような技術であったり、サービスであったり、製品を提供していく」ということですね。


─ベン・トロットは、Movable Typeを作ったのはどのような理由からなのでしょうか?

実は、2001年当時から、既にブログというものはあったのですが、当時のブログは単にブログを書くだけというものでした。そういった中でベン・トロットは、ブログはもっとこういうことができるんじゃないかとか、こういう使い方をしてもいいんじゃないかという考えがあり、Movable Typeを作ったのだと思います。

しかし、元々Movable Typeはベン・トロットがミナ・トロットの為に作ったものなので、究極的に言うと、ミナ・トロットの為のソフトウェアとしてスタートしたということになるかもしれません。

続きを読む "シックスアパートとは" »

ブログサービスの拡大

TypePad_logo_for_blog.jpg
─当時は、やはり使いやすいブログは少なかったのでしょうか?

使いにくいというよりは、機能が少ないという感じだと思います。

ベン・トロットとミナ・トロット夫妻はMovable Type作った瞬間からインターネット上で無料公開していましたので、いろいろな人に使ってもらうことができました。 それによってフィードバックをもらいながらMovable Typeをどんどん進化させていきましたので、当時存在していたブログとは違います。

Movable Typeは、単にブログが投稿できたり、デザインが少ないこれまでのブログという位置づけではなく、「自己表現をする為にはもっと高機能なブログが必要だ。」というニーズに答えたものです。

これが、”Movable Type=高機能でパワフルなツール”だと皆さんに言っていただける理由です。

ですので、Movable Typeが受け入れられたのは使いやすさという点もあったと思いますが、それ以上にブログの未来とかブログの可能性を具現化したという点が大きいと思います。


─ベンチャーキャピタルのネオテニーからの出資を受けた背景を教えてください。

それでは、ネオテニーがシックスアパートに出資した前後の事からお話します。
2003年の2月にBlogger.comという会社がgoogleに買収されました。googleの一部となったBlogger.comは、大きな資本によって人的リソースなどを確保しながら事業を広げていきました。 
こういった背景があり、シリコンバレーの中で徐々に、ブログも本格的なビジネスとして展開可能だという見方が出てきました。

一方でシックス・アパートは、ベンとミナの2人だけで運営していました。 収入としても寄付や、ブログの利用料150ドルだけでしたので、Blogger.comのように事業を拡大していくのは困難な状況でした。

例えば、Movable Typeはブログのソフトウェアなのでインターネットからダウンロードしてもらうだけで良いのですが、TypePadのようなサービスはお客さんが0で売上0でもサーバーを常に動かしておかなければなりませんので、コストはどんどんかかっていきます。 同じブログでも全くビジネスモデルが異なるのです。

また、Movable Typeを使っていただく中で一番多かったフィードバックがインストールが難しくてインストールができないというものでした。創業の2001年当初はユーザー層はエンジニアが中心でしたが、2003年頃になるとユーザー層は一般の方々でしたので、当然といえば当然のことですね。このような一般の方々の”Movable Typeのような高機能なサービスをもっと簡単に使いたい”というにニーズに答えるために、TypePadの構想がでてきたのです。

ただし、このようなサービスを行うにはサーバーを買って、専用のソフトを作り、人も採用していかなければならないので、初期投資から運営費から非常にコストがかかってしまいます。 ベン・トロットとミナ・トロットの2人だけでは、もはや運営できない状況だったのです。そこで、2003年の7月にネオテニーから出資を受けたというわけです。


─日本に進出してきた当時のことを教えてください。

2003年時点では、日本の中でまだ、ブログが認知されていなかったのでマーケットはありませんでしたが、マーケットニーズはあると考えていました。

2003年12月に日本法人ができたのですが、実はその直前にシックスアパートとniftyさんと提携をし、Type Padをライセンスしてココログというサービスを始めました。 


─元々アメリカで行っていたサービスを日本始める時に大変だった点を教えてください。

実は、日本法人ができる前からMovable TypeとType Padは日本語対応(多言語対応)ができる状況でした。その意味では日本法人ができた時は、それほど大変なものではありませんでした。

ただし、言葉の日本語化というのは難しかったと思います。これはアメリカなどから新しいサービスを日本に持ち込むときに常にあることなのですね。例えば、niftyさんは、「パーマリンク」という言葉を固定リンク」と翻訳すると決めてサービスを行っていますが、これらの言葉をどうやって翻訳・説明するかということが難しいのです。

今でこそ普通に使われている「トラックバック」という言葉ですが、当初は、なかなか「トラックバック」の意味を理解してもらえませんでした。 それは、ブログという言葉もそうですね。「ブログって何ですか?日記と何が違うのですか? 」という感じでした。


─「ブログって何ですか?」という人たちに対して、どうやって使い方を示していったのでしょうか?

我々がブログを広めたというわけではありませんので、当時何が起きたのかということをお話するのが良いと思います。 

例えば、niftyさんは、2003年の終わりから2004年の春くらいにかけてココログというものをユーザーさんに提供してまして、「ココログとはブログです。」「ブログとはこういう使い方をすると面白いんですよ。」というような啓蒙的な事を行っていました。  もちろん、niftyさんだけではなく、いろいろな会社がこういった活動を行っていましたので、”ブログ”というものの言葉の認知、使い方というのが徐々に浸透していったわけです。

ただし、ブログの使い方を見ると日本でアメリカでは違っているんですね。アメリカでブログというと割りと政治的・ジャーナリスト的な感じがします。 

これは、9.11の事件の後にマスメディアが書いていないような事をブログを使って市民が発信していった背景があると思います。 既存のマスメディアに対してのカウンターとしてのイメージであったり、大統領選のキャンペーンに使うプロモーションで利用するといったイメージがあります。 なので、アメリカではブログというと個人が意見を持ってパブリックに対して発信していくという感じなんですね。

それに対して日本でブログというと、日記や、コミュニティ化のツールと認識されていたり、マーケティングや広報活動としてのイメージが強いと思います。 日本でブロガーというと、マスコミや政府に対して反対意見を述べるというイメージはほとんどないですよね。 こういった企業の活動や、国民性などがあり、日本ではアメリカと違う形でブログが定着していったのだと思います。

続きを読む "ブログサービスの拡大" »

2006年09月15日

MTが選ばれる理由とは・・・

MT_logo_for_blog.jpg
─シックスアパートというと非常にデザイン性が高いというイメージがあるのですが・・・

実は、我々はデザインに対して、それほどコミットメントしていません。
デザイン性の高いサイトをつくるというのは、必ずしもデザイン能力だけではないんですね。

例えば、webサイトというのは、本文があったり、サイドバーがあったりと構造があるわけです。ページにいろいろな要素があり、それらをどこに配置すれば一番ユーザーにとって使いやすいのかということもデザインですし、バナーを入れたり、絵をいれたりするのもデザインなのです。

その中で、我々がしているのは、デザイナーの人達が、Movable Typeというプラットフォームの上でデザインワークをすることで、Movable Typeの持っている高機能性を損なわずにデザインができるようにするということです。 そのために、我々もいろいろとサポートをしています。 

例えば、いろいろな場所でセミナーを行ったり、デザイナーのネットワークを持っている会社さんと一緒にMovable Type, TypePadのデザインを公募するというコンテストを行ったりもしています。


─Pronetという制度がありますが、これもMovable Typeの持つデザインや機能をユーザーにより良く使ってもらう為の制度なのでしょうか?

Pronetとは、Professional Networkの略なのです。Movable Typeはソフトウェアなので、サイトを構築したり、デザインを標準のものと変えたりという使われ方をしているのですが、それを行ってくれる企業さんがPronetなんですね。 

我々は、Movable Typeを単なるブログとしてではなく、その可能性を最大限に引き上げて付加価値を付けて提供していきたいと考えているので、それをPronetの企業さん達にサポートしてもらっています。 もちろん、Movable Typeの販売も行ってもらっていますが、単に販売代理店という位置づけではなく、我々のパートナーという位置づけです。


─なぜ、ダウンロードだけでなくパッケージも販売してるのでしょうか?

まず、パッケージ製品はMovable Typeしか行っていないんですね。
ダウンロードによるクレジット販売では、なかなか決済手段として広く企業さんに受け入れてもらえないという側面がありました。

パッケージ化することで、いわゆるソフトウェアのパッケージ流通という仕組みに乗せることによって、決済手段の問題をクリアできます。 また、Pronetさん達にとってもパッケージのほうが、Movable Typeを販売して、お客さんをサポートしていきやすいという面があります。


─数あるブログの中で、シックスアパートが選ばれる理由を教えてください。

日本国内のブログの市場で、もっとも早くブログ製品を手がけていたという点が非常に大きいのかなと思います。

Movable Typeは、ブログの可能性を具現化するというコンセプトを持って出てきたので、今までのブログでは物足りない人達から強い支持を得ているのだと思います。例えば、我々のサービスはほとんど有料なのですが、有料だからこそ、テクニカルサポート、商品のバージョンアップ、パートナーの開拓など様々な新しいことをされる方をサポートできるのです。ブログを無料で提供している会社さんもありますが、我々はブログを使って様々なことが行えるように絶えず機能強化をして、マーケットニーズに答えています。

これらの取り組みがブログを使って真剣にいろいろな可能性を追求するという方々から支持されている理由だと考えています。 


─御社では、どういう人材を求めているのでしょうか?

日本法人は100%のアメリカの子会社なのですが、実際はアメリカと日本で一緒に仕事を行い、一緒に商品を作っているという状況です。 英語を話せなければ、絶対にダメというわけではありませんが、アメリカと一緒に仕事を行っていくにはコミュニケーションができた方が良いですよね。

また、自分が何をするのかを把握して行動できる人を求めています。座っていて「次は何をするのですか?」というのでは困ります。 そうではなく主体性を発揮して周りとコラボをしていける人ですね。

ただし、教育をしていないというわけではなく、自分はコレがわからないから、教えてくださいとか、スキルがないからできないのではなく、期間を経てスキルをつけていくんだという意思があれば大丈夫だと思います。 ただ、「入って、私何もできないから、教えてください。」というのは難しいですね。


─それでは、最後に今後の事業の方向性を教えてください。

2つの方向で事業展開をしていこうと思います。 1つ目は、Movable TypeとTypePadの機能強化です。幸いこの2つとも多くのユーザーさんに利用していただいているのですが、「ここをもっとこうして欲しい。」「こういう機能が欲しい。」というような、リクエストをたくさんもらっています。
このリクエストに答える為に、各種サポートやバージョンアップをしていこうと思います。

2つ目は、新規事業の可能性です。 ブログもかなり普及してきてマーケットが成長するにつれて、どんどん多様性がでてきていますので、それに合った新商品を考えています。
例えば、昨年の秋にアメリカでプロジェクトコメットというものを出しています。 そのプロジェクトコメットの中で考えているのが、プライバシーコントロールと呼ばれるものです。 ブログをやっているとこれは友達にしか見て欲しくないとか、これは多くの人に見て欲しいなどという事があると思います。今もパスワードを使って特定のユーザーにしか見せないということもできるのですが、なかなか使いにくい部分もあるので、そういった機能をもっと進化させていきたいなと思います。

もう一つは、ブログを中心としてアマゾンのウェブサービスを使ってアマゾンの商品を紹介するというものがありますが、こういった考え方をさらに進化させて、ネット上にある様々なリソースやサービスを簡単にブログ上で投稿していけるようなサービスを考えています。 


─今後どのようなサービスが出てくるのか非常に楽しみですね。有難うございました。

続きを読む "MTが選ばれる理由とは・・・" »

About No3#
シックスアパート株式会社

ブログ「project」のカテゴリ「No3#
シックスアパート株式会社」に投稿されたすべてのエントリのアーカイブのページです。新しい順番に並んでいます。

前のカテゴリはNo2#
JWord株式会社
です。

次のカテゴリはNo4#
株式会社アドウェイズ
です。

他にも多くのエントリがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type